令和8年8月11日(火)

第三十四回猫蓑リモート

短歌行「阿仏尼の」

本屋 良子 捌
阿仏尼の眠る洞なりこぼれ萩
良子
銀の矢となれる月光
千惠子
行く秋を幼なじみと語り合ひ
由紀子
指にかすかに残るペン胝
徹心
ウ
大道のパントマイムに人だかり
健
神輿を送る藍の帷子
由
似顔絵を夜店で描いたが馴初めで
千
好きの嫌ひのいつも寝不足
健
磁石には反応しない銀メッキ
心
柱時計の鳩が飛び出し
由
花衣幕の上りを待つ桟敷
リエ
けふの記念にスイートピー買ふ
徹心
ナオ
汀にて栄螺焼きつつコップ酒
健
外国産の砂はさらさら
由
啄木を真似て三行分かち書き
千
ラストダンスはちよつと早いか
健
パーティーの人の目奪ふキミソール
心
全力上げて甘えくる猫
千
満月の凍ゆる巴里の石畳
由
皆着膨れの最終のバス
心
ナウ
こころ旅急な山坂息きらし
健
AI診断癌に活用
同
場所取りは論語枕に花の下
良
夢見のお告げ大吉の春
エ
鈴木千惠子 馬場由紀子 佐藤徹心 由井 健 宇都宮リエ

二十韻「行合の空」

平林香織 捌
行合の空や時間の置きどころ
香織
昼月かかる古都の尖塔
揺子
芸術祭スクールバスは満員に
美友紀
声を抑へて歌ひ続ける
了斎
ウ
哲学の道客が減り疎水凍つ
白山
握る手なんと温かきこと
斎
二人して同じデザイン耳飾
山
zoom画面で妻を紹介
織
濤の声なぜか優しい夏の海
斎
鎮守の杜に蟬しぐれ降る
紀
ナオ
学ならぬまま故郷へ帰るころ
斎
ヴィーガンカフェのランチ楽しむ
揺
町内会病気と孫の話のみ
山
結婚式は豪華絢爛
紀
床入りの屏風に月の描かれて
斎
火鉢のそばで眠るぶち猫
紀
ナウ
童心に帰り楽しむUSJ
揺
AI怖い自立しかねぬ
山
盃に花の一片浮かびをり
同
初優勝を祝ふ春宵
紀
上原揺子 奥野美友紀 鈴木了斎 由雄白山

短歌行「かんかんと」

近藤純子 捌
かんかんと踏切鳴りて涼新た
純子
狗尾草のまとひつく道
郁子
十五夜の横綱全て白星に
濤声
大型TVすゑたお茶の間
坊太
ウ
出前には鍋焼きうどんあつあつを
転石
バイク走らす北風の中
美帆
学生に戻り再び古都巡り
郁
友の彼には特にやさしく
純
私だけ知るあの癖に沼つてる
太
笑ひをとれる芸に秀でて
声
言の葉のいのちのびやか花の宴
帆
武者春宵の歌を馬上に
石
ナオ
政宗が初蚊に刺され広瀬川
声
船留の杭ひとつ打ち込み
郁
選ぶなら絶対浮気しない奴
声
世話焼き女房手取り足取り
太
ローマではマリオネットで荒稼ぎ
声
夏の月照る邸宅の池
郁
じつとりと怪談芝居ひとり観る
太
株価変動一喜一憂
郁
ナウ
飲む前におづおづ覗く体重計
帆
SMLはメーカーによる
石
花の雲夜叉も羅刹も包み込み
純
霞に揺るる麓なだらか
太
大森郁子 小原濤声 山本坊太 林 転石 小原美帆