リモート連句の場
第三十四回猫蓑リモート
短歌行「阿仏尼の」
本屋 良子 捌
- 阿仏尼の眠る洞なりこぼれ萩
- 良子
- 銀の矢となれる月光
- 千惠子
- 行く秋を幼なじみと語り合ひ
- 由紀子
- 指にかすかに残るペン胝
- 徹心
ウ
- 大道のパントマイムに人だかり
- 健
- 神輿を送る藍の帷子
- 由
- 似顔絵を夜店で描いたが馴初めで
- 千
- 好きの嫌ひのいつも寝不足
- 健
- 磁石には反応しない銀メッキ
- 心
- 柱時計の鳩が飛び出し
- 由
- 花衣幕の上りを待つ桟敷
- リエ
- けふの記念にスイートピー買ふ
- 徹心
ナオ
- 汀にて栄螺焼きつつコップ酒
- 健
- 外国産の砂はさらさら
- 由
- 啄木を真似て三行分かち書き
- 千
- ラストダンスはちよつと早いか
- 健
- パーティーの人の目奪ふキミソール
- 心
- 全力上げて甘えくる猫
- 千
- 満月の凍ゆる巴里の石畳
- 由
- 皆着膨れの最終のバス
- 心
ナウ
- こころ旅急な山坂息きらし
- 健
- AI診断癌に活用
- 同
- 場所取りは論語枕に花の下
- 良
- 夢見のお告げ大吉の春
- エ
鈴木千惠子 馬場由紀子 佐藤徹心 由井 健 宇都宮リエ
二十韻「行合の空」
平林香織 捌
- 行合の空や時間の置きどころ
- 香織
- 昼月かかる古都の尖塔
- 揺子
- 芸術祭スクールバスは満員に
- 美友紀
- 声を抑へて歌ひ続ける
- 了斎
ウ
- 哲学の道客が減り疎水凍つ
- 白山
- 握る手なんと温かきこと
- 斎
- 二人して同じデザイン耳飾
- 山
- zoom画面で妻を紹介
- 織
- 濤の声なぜか優しい夏の海
- 斎
- 鎮守の杜に蟬しぐれ降る
- 紀
ナオ
- 学ならぬまま故郷へ帰るころ
- 斎
- ヴィーガンカフェのランチ楽しむ
- 揺
- 町内会病気と孫の話のみ
- 山
- 結婚式は豪華絢爛
- 紀
- 床入りの屏風に月の描かれて
- 斎
- 火鉢のそばで眠るぶち猫
- 紀
ナウ
- 童心に帰り楽しむUSJ
- 揺
- AI怖い自立しかねぬ
- 山
- 盃に花の一片浮かびをり
- 同
- 初優勝を祝ふ春宵
- 紀
上原揺子 奥野美友紀 鈴木了斎 由雄白山
短歌行「かんかんと」
近藤純子 捌
- かんかんと踏切鳴りて涼新た
- 純子
- 狗尾草のまとひつく道
- 郁子
- 十五夜の横綱全て白星に
- 濤声
- 大型TVすゑたお茶の間
- 坊太
ウ
- 出前には鍋焼きうどんあつあつを
- 転石
- バイク走らす北風の中
- 美帆
- 学生に戻り再び古都巡り
- 郁
- 友の彼には特にやさしく
- 純
- 私だけ知るあの癖に沼つてる
- 太
- 笑ひをとれる芸に秀でて
- 声
- 言の葉のいのちのびやか花の宴
- 帆
- 武者春宵の歌を馬上に
- 石
ナオ
- 政宗が初蚊に刺され広瀬川
- 声
- 船留の杭ひとつ打ち込み
- 郁
- 選ぶなら絶対浮気しない奴
- 声
- 世話焼き女房手取り足取り
- 太
- ローマではマリオネットで荒稼ぎ
- 声
- 夏の月照る邸宅の池
- 郁
- じつとりと怪談芝居ひとり観る
- 太
- 株価変動一喜一憂
- 郁
ナウ
- 飲む前におづおづ覗く体重計
- 帆
- SMLはメーカーによる
- 石
- 花の雲夜叉も羅刹も包み込み
- 純
- 霞に揺るる麓なだらか
- 太
大森郁子 小原濤声 山本坊太 林 転石 小原美帆