リモート連句の場
第三十三回猫蓑リモート
二十韻「竹咲くや」
石川 葵 捌
- 竹咲くやけふのひと日の美しく
- 葵
- ひときは高き郭公の声
- 雅子
- 制服を少しお洒落に着崩して
- 千惠子
- 「カワイイデショウ」世界共通
- あづさ
ウ
- ミナレット月煌々と中天に
- 雅
- 分水嶺の水の澄みたる
- 千
- ゆで加減婆に教はる走り蕎麦
- 雅
- 昔小町の首の細さよ
- 葵
- 助六に煙管の雨が降り注ぐ
- 千
- 悋気が投げる絹の靴下
- 雅
ナオ
- あやかしと知らずに恋ふる銀狐
- づ
- 樹氷の枝にかかる繊月
- 千
- 水墨画墨の濃淡巧みなり
- 雅
- 受付嬢はあくびこつそり
- づ
- 激辛の菓子を摘めば汗滲む
- 千
- 嘘は言へない嘘発見器
- 葵
ナウ
- スフィンクスの謎のつひには明かされて
- 千
- 春の暖炉に読み耽る本
- 雅
- 大団円祝ふがごとく花吹雪
- づ
- 暮れかぬる中交はす盃
- 千
武井雅子 鈴木千惠子 清水あづさ
二十韻「桟橋に」
本多遊子 捌
- 桟橋に広げる腕風涼し
- 遊子
- 透明バッグ夏きざす頃
- 坊太
- 床の間に白磁の壺を飾るらん
- 健
- 文鳥逃げて空つぽの籠
- 純子
ウ
- 有明月自転車を漕ぐ影のあり
- 太
- 案山子に着せる君のYシャツ
- 遊
- 新蕎麦を待つ間今ぞとプロポーズ
- 純
- 発車を告げる汽笛一声
- 健
- 聖堂に練習をする伴奏者
- 遊
- 緊張ほぐすおまじなひ掛け
- 太
ナオ
- ゲレンデを直滑降でまつしぐら
- 健
- 写真の並ぶ暖炉射す月
- 純
- 倫敦の優しき店主懐かしむ
- 太
- マイケル黒のエナメルを履き
- 遊
- 森深き魔女の瞳に魅せられて
- 純
- 含んだお酒交はす唇
- 健
ナウ
- ゆるゆると太極拳の気の流れ
- 遊
- 遍路笠脱ぎひと休みする
- 太
- 花を友夢を未来に繋ぎたし
- 健
- 東をどりへ誘ひ合はせむ
- 純
山本坊太 由井 健 近藤純子
二十韻「五月雨や」
五郎丸照子 捌
- 五月雨や入り江に烟る舫い船
- 照子
- 海猫並ぶカフェの軒先
- 由紀子
- 油絵のキャンバスぴんと張り終えて
- 香織
- 孫の笑顔を走り書きする
- 白山
ウ
- 復興の願いに加賀の良夜なり
- 由
- ちょっと気になる柚餅子作る娘
- 照
- 紅葉色帯解きほぐすま白き手
- 山
- サナトリウムに通う恋人
- 織
- 道化師の技にやんやの小ホール
- 照
- 飛行機雲は西へ西へと
- 由
ナオ
- 玄奘は経を背負って長き旅
- 織
- 茶の花一枝飾る床の間
- 山
- 寒の月池を覗けば鯉眠る
- 照
- オリンピックが少年の夢
- 織
- 会いたくて遅刻覚悟の遠回り
- 由
- 幼ななじみの黒髪を梳く
- 山
ナウ
- 香りたつ越乃寒梅桝で飲む
- 同
- 初午詣高き鈴の音
- 照
- 石垣を覆い尽くして花大樹
- 織
- 平和な村のうららかな丘
- 執筆
馬場由紀子 平林香織 由雄白山