令和8年2月11日(水)

第三十一回リモート連句会

二十韻「立春や」

本屋良子 捌
立春やチヨコレイトと上る坂
良子
嬰の拳のほどに蕗の芽
由紀子
新しい目標決めて鳥雲に
千惠子
オリンピックと名曲の旅
あき子
二日酔ひやさしく癒す寒蜆
あやめ
凍蝶誘ふ月に還れぬ
富士の峰より高き愛包みたる
微熱の夢によぎるサタンよ
戦争を楽しんでゐる独裁者
発泡剤の溶ける銭湯
ナオ
祭笛路地に流れて気もそぞろ
一番でなきや収まらぬ奴
電卓を打つより速い算盤で
要領悪い恋の駆け引き
大吉の神籤を浸す月の池
胡桃の殻は割るに割れない
ナウ
新絹でバレエの衣裳オーダーし
スポットライト七色となる
老木に未来の花の咲き満ちて
頬をなで行くやはらかき風
馬場由紀子 鈴木千惠子 岩崎あき子 紅紫あやめ

二十韻「梅ひらく」

奥野美友紀 捌
空に点点点打つや梅ひらく
美友紀
春の光の届く縁側
洋子
シャボン玉吹けばゆらりと七色に
母と娘のコップお揃ひ
凡単
浴衣着て月の宴に集まれば
背伸びしてゐる甘い香水
三越の一階に立つ彼に惚れ
片道切符あてもなき旅
旋盤の音の重なる町工場
宇宙開発技のいろいろ
ナオ
急斜面シュプール残すスキーヤー
八目鰻が目にはよく効く
熟年の恋は入谷で育まれ
情が深くて損な性分
月今宵紫式部誘ひたし
掛け声やよし坊の火祭
ナウ
柴犬は刈田の中を駆け回り
護岸工事は予算オーバー
大皿に筆太太と花大樹
小学校にうぐひすの来る
大島洋子 由井 健 なかむら凡単

半歌仙「野芹」

平林香織 捌
手に採れば香り膨らむ野芹かな
白山
残る寒さの山の辺の道
香織
子供らは鶯餅の粉吹きて
濤声
スマホゲームに一喜一憂
揺子
十三夜縁に端居のひとり酒
徹心
袷仕立ての紅葉色づき
志保子
物の音の澄みて告白赤き頬
学級委員は吊り目可愛く
どこまでもポカホンタスは思ひわぶ
くの字になつて痛み堪へる
たまさかに障子の穴に覗く月
氷柱の先に粉雪の舞ひ
年ふれば三三五五に人の散り
エントロピーにいのち逆らふ
昨今の旅のお供はタブレット
賄ひ飯の旨いうどん屋
見晴るかす波涛きらめく花の山
春風の中ランドセル行く
由雄白山 小原濤声 上原揺子 佐藤徹心 北龍志保子