令和6年12月14日(土)

第二十四回猫蓑リモート

半歌仙「鳴滝の大根焚」

本屋 良子 捌
鳴滝の大根焚なり昭和会
良子
振舞ひ受くる底冷の庭
昌子
役員は派手なネクタイ着こなして
千惠子
昨日の事件新聞で知る
志保子
副都心有明の月影薄し
白山
伸ばした指を逃げる蜉蝣
  千
船頭の櫂ゆらゆらと紅葉狩
  志
茶釜の湯気が隠す煩悩
  山
重ね合ふ視線に込めるテレパシー
  良
宇宙旅行のデートしようよ
  千
どこまでも一反木綿飛んでゆく
  同
帰せ戻せと呼ばふ俊寛
  山
篠笛の聞こゆる宿の岩清水
  志
ゲームの子等が端居する月
  昌
テーマパーク夢のエリアの広がりぬ
 千
海馬がするり赤い輪を抜け
  志
先達と共に眺むる花の山
  山
差しつ差されつのどらかな午後
  昌
原 昌子 鈴木千惠子 北龍志保子 由雄白山 

非懐紙「ハーレーに乗つて」

馬場由紀子 捌
ハーレーに乗つて来日冬将軍
由紀子
小走りになる年の瀬の街
あき子
手にあまる課題かかへて是非もなし
揺子
魑魅魍魎を聖堂に呼ぶ
 純子
銀漢になくした鍵を探しゆき
  純
焼栗匂ふ方へふらりと
  あ
新発見特許申請大至急
  揺
五万円にて命助かる
  同
姫君の園に咲きたる夏薊
  純
羅に透く蝶のほりもの
  あ
仕事帰りひよいと現代アート展
  同
草間彌生の謎を解きたい
  由
古稀迎へピンクに染めるグレイヘア
 揺
氷砂糖の沈む老酒
  あ
三匹の雪代鱒を釣果とし
  純
孫に購ふ木目込の雛
  揺
岩崎あき小 上原揺子 近藤純子