リモート連句の場
第二十四回猫蓑リモート
半歌仙「鳴滝の大根焚」
本屋 良子 捌
- 鳴滝の大根焚なり昭和会
- 良子
- 振舞ひ受くる底冷の庭
- 昌子
- 役員は派手なネクタイ着こなして
- 千惠子
- 昨日の事件新聞で知る
- 志保子
- 副都心有明の月影薄し
- 白山
- 伸ばした指を逃げる蜉蝣
- 千
ウ
- 船頭の櫂ゆらゆらと紅葉狩
- 志
- 茶釜の湯気が隠す煩悩
- 山
- 重ね合ふ視線に込めるテレパシー
- 良
- 宇宙旅行のデートしようよ
- 千
- どこまでも一反木綿飛んでゆく
- 同
- 帰せ戻せと呼ばふ俊寛
- 山
- 篠笛の聞こゆる宿の岩清水
- 志
- ゲームの子等が端居する月
- 昌
- テーマパーク夢のエリアの広がりぬ
- 千
- 海馬がするり赤い輪を抜け
- 志
- 先達と共に眺むる花の山
- 山
- 差しつ差されつのどらかな午後
- 昌
原 昌子 鈴木千惠子 北龍志保子 由雄白山
非懐紙「ハーレーに乗つて」
馬場由紀子 捌
- ハーレーに乗つて来日冬将軍
- 由紀子
- 小走りになる年の瀬の街
- あき子
- 手にあまる課題かかへて是非もなし
- 揺子
- 魑魅魍魎を聖堂に呼ぶ
- 純子
- 銀漢になくした鍵を探しゆき
- 純
- 焼栗匂ふ方へふらりと
- あ
- 新発見特許申請大至急
- 揺
- 五万円にて命助かる
- 同
- 姫君の園に咲きたる夏薊
- 純
- 羅に透く蝶のほりもの
- あ
- 仕事帰りひよいと現代アート展
- 同
- 草間彌生の謎を解きたい
- 由
- 古稀迎へピンクに染めるグレイヘア
- 揺
- 氷砂糖の沈む老酒
- あ
- 三匹の雪代鱒を釣果とし
- 純
- 孫に購ふ木目込の雛
- 揺
岩崎あき小 上原揺子 近藤純子