令和7年12月13日(土)

第三十回猫蓑リモート連句

半歌仙「帰り船」

本屋良子 捌
帰り船待つ鷗らの日向ぼこ
良子
落鱚釣りの並ぶ堤防
ひろ子
週一の移動スーパー楽しみに
あづさ
五階建てでもエレベータなし
白山
ちらほらと鱗雲から覗く月
了斎
色無き風が指の間を抜け
絵手紙の柚は下手でも柚に見え
何故だか君は時に不可解
訳ありと噂の女(ひと)のつつましく
AIだつてするさ失恋
詐欺サイトからかふ遊びやめられず
万病に効くミイラ売ります
夏月を古墳の王が眺めつつ
笙篳篥の野外演奏
折りかへし錦繍の袖ひるがへす
また来るからと引鶴の舞
結願の伽藍に花の降り止まず
春のともしの消ゆるともなく
白崎ひろ子 清水あづさ 由雄白山 鈴木了斎

二十韻「短冊に」

近藤純子 捌
短冊に冬至梅描く濃く薄く
純子
埋火立てて松風の音
千惠子
チャルメラの笛の消えゆく広場にて
愛犬自慢写メを見せ合ふ
坊太
月の宴遠来の客もてなさむ
揺子
野山の色に染まる両頬
毒茸のそこはかとなく媚薬めき
君の魅惑に抜け殻となる
ダンベルとベンチプレスに勤しんで
金剛力士の強き目ヂカラ
ナオ
野馬追に息づく命一千年
夏草踏んで帰る夕月
岬にて灯台の灯の点りたる
旅の途中は自由奔放
めいつぱい振り回されてそれもよし
想ひ遂げたる逢瀬夢かと
ナウ
イグノーベル突如突飛なアイデアが
一反木綿かぶる春帽
泳ぐごと身を漂はす花の雨
峠の茶屋で母子餅喰む
鈴木千惠子 由井 健 山本坊太 上原揺子